10月名残りの季節🎑

今年もあと3ヶ月茶道では10月は風炉最後の季節。この月を別名名残り(なごり)の季節といいます。

茶道の世界では本来5月に摘み取った抹茶の葉(碾茶てんちゃ)を約半年間茶壺で保管し熟成させ11月の開炉の時期に合わせ口切りという行いをし、熟成させた抹茶を開封し一年かけて抹茶を飲んでいました。

10月はその最後の季節。残り少ない抹茶や風炉最後の季節なのでしょうか、名残惜しいという事で名残りの季節と呼びます。

だんだん気候も寒くなり火も恋しくなってくるということで中置きというお点前もこの季節行います。この中置きのお点前。火を焼べている風炉を勝手付きの位置から畳の真ん中に風炉を据える点前です。お客様に少しでも暖かい火を近づけようという亭主の心遣いからこのようなお点前があるそうです。

またこの季節のみ金継ぎや共繕された焼物を使えます。

当店の金継ぎ茶碗です。抹茶体験でもこの月にのみ使っています。写真の抹茶茶碗は伊羅保茶碗(イラボちゃわん)です。

割れた部分を漆で止め金で表面を保護します。この金継ぎ茶碗継いである部分は脆いのでご注意を‼️

今は、消耗品社会なような気がします。現実で壊れた物はすぐに処分してしまいまた新しい物を買うそんな世の中になってしまいました。昔は全て一点もので皆それを気に入り大切に所有してきました。

壊れても補修し大切に扱ってきました。。。

金継ぎもそんな日本人の物を大切にする心の現れだと思います。

10月は他にも風炉の灰の上を焼いた藁をひきつめる藁灰という設え(しつらえ)や煙草盆(たばこぼん)の中の灰吹を半分枯れた半枯れ(はんがれ)の灰吹を使用したりします。

この季節は一年の中でもとても侘びた季節だと思います。なんとなく寂しい季節ですが11月は別名茶人の正月ともいえる開炉の季節です。少なくなった茶壺の中の抹茶を眺めつつ一年のお世話になった道具を整理しまた来月にむけ新たな気持ちを整えるとい季節だと思います。

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